イギリスはロンドン、サヴィル・ロウに一軒の老舗の仕立て屋がある。名はキングスマン。
しかし、キングスマンの正体とは、とはどの国家にも属さず人知れず世界の危機に立ち向かう超国家的諜報機関のことである。
キングスマンとなるための第一条件は紳士であること。よってこれまでは上流階級のものばかりがキングスマンとなっていた。
キングスマンは世界中で作戦を行うが、作戦中の死亡においても、家族に伝えられるのは死んだという事実だけだ。
どの作戦でどのようにということも伝えられない。初めて平民からキングスマンになれる可能性のあった逸材が、仲間をかばって死んだときでもだ。
しかし守られた側は、命を救われたことを忘れなかった。
彼の息子エグジーが街のチンピラになったときにも救う手立ては残していた。
「マナーが人間を作るんだ」
友に守られた恩義に報いるため、ハリー・ハートはエグジーにキングスマンへの道を示す。
その陰で、IT長者のリッチモンド・ヴァレンタインは地球環境保護のために人類を減らす妄執にとらわれる。
激しい選民思想の下に彼が思い描く計画と手段は?
キングスマンは彼を止められるのか?
「人は生まれた家柄で紳士になるんじゃない。学んで、紳士になる」
エグジーは意志を継いでキングスマンとなれるのか?
えーと。まず注意事項。
R15なんで子供が見る危険性はないと思うけど、連れは選ぶべきだと思う。ジョークは黒いしネタがキワドすぎる。
だが、その辺を飲み込めるならば腹を抱えて笑えるネタがきっとあるはずだ。スウェーデンの女王wwwww
そもそも私は中期007シリーズやミッション・インポッシブルあたりのギミッキーなスパイアクションは大好物である。
特にスパイエージェント諸君が国家のしがらみにとらわれ、あのIMFですらCIAの下部組織となる昨今、ギミックを多数使い倒す超国家的諜報機関なんて愛すべき存在だろう?
しかも己を律するのは『紳士たれ』の心構えだ。
惚れろよてめぇら。
国家や組織のしがらみからもがいて抜け出して、それても世界のために活躍するスパイアクションはもちろん大好物だろう?
道具としてのギミックもそうだが、ストーリーとしてのギミックもいろいろと練り込まれている。
仕立て屋が諜報機関を運用する理由も無茶ながらそれなりに筋は通ってるし、ゆえにスーツがキングスマンの鎧であるという筋立ても面白い。
何よりこのスーツも含めたファッションセンスがバタくさくも決まっており、初期の007に通じるスーツがカッコよかった時代のスパイものの感覚が色濃く残っている。
仕込みナイフ入りオックスフォードシューズなんて古典的アイテムも披露するかと思えば、盗聴器は指先で服に張り付けられるほどの小型のものだし、位置追跡ジェルをワインに仕込んで追尾する等ガジェットの進歩もまた面白い。
そして、それらを使いこなすハリー・ハート役のコリン・ファースがこれ以上ないって程キマっている。
ムービーヒーローのスパイが伊達男だった時代のカッコよさと、やや古典的ながらキマりまくった紳士の装いが、イギリス演劇仕込みのやや過剰な演技によって重厚にまとめ上げられる。
アクション映画初出演とのことだが文句のつけようはない。
キングスマンに対抗するのがリッチモンド・ヴァレンタイン役のサミュエル=L・ジャクソン。軽薄ながら劇場型犯罪を踊るようにこなす様子を、過剰なまでの演技をもってやってのけた。
そこに割って入るエグジー役のタロン・エガートンは、本作が大作初出演のはずなのに、頼りなく環境に流され続けた若者から半人前のスパイになる過程を演じ切って両者に消されぬ存在感を示し続けた。
懐かしいスパイ映画を、現代風アクションで再現する。
007ですら失いかけている無理難題をキングスマンはやってのけた。
何よりかつてのスパイアクションに対する愛もあふれている。
大丈夫。アクション映画フリークも、スパイ映画マニアも、この映画をしっかり見ておけ。
ぐうの音くらいなら聞いてやる。私は出なかったがな。
本作中、リッチモンド・ヴァレンタインは自らの計画から選民を守るため、山岳地帯に滑走路付きのシェルターを作っている。
一部のマニアは思ったはずだ。
エリア89だ!!!
88じゃないの、という人はエリア88を読み返せ。私との約束だ。いいな?
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