2020年12月27日日曜日

スレスレ入院記・2

というわけで前々回前回の続きである。


日常生活にはなはだ支障の出る現状はある程度受け入れるが、移動の困難な現状は受け入れがたく、無理矢理レベルで歩いてはいたものの限界が来る。
「というわけで歩行器借りられませんか?」
「歩行器は数が少なくてなかなか空きがないのよ。空いたら持ってくるけど、それまで車椅子置いとくから使ってねー」

……あれ?


そういえば風呂とかどうするんだろう。確かここは温泉があったはずだから、麦から作った泡のつくアイツで風呂上がりの一杯は無理でも温泉治療としゃれ込めるのではなかろうか。
「お風呂どうなるんでしょう」
「温泉とユニットバスと介助付きのお風呂がありますけどどうします?」
「温泉いいですねぇ。入れますか?」
「確認とってみます」

「すみませんが安静なので温泉は無理なようです。どうします?」
「……仕方ないので介助付きでお願いします」

介助付きのお風呂は機械浴である。全身をくまなく洗ってもらい、専用の車椅子で湯船にガシャコンとはめ込まれてお湯を充填されるような入り方をする。確かに一人で入れないから介助されるのはわかるのだが。
「いやー普段はデイサービスのお年寄りばっかりだから、こんな若い人洗うことめったにないわー」
「すみませんがよろしくお願いします」
おばちゃんが中心だったとはいえ気恥ずかしさは若干ある。それでも介助はこちらの希望な訳で、よろしくお願いする他はない。

あれ?


毎朝毎晩看護師さんが検診に来る。検温・血圧などを測定し体調を聞いていくのだが。
「体調どうですかー? 足のしびれとかないですかー?」
まあ初回はいい。ところが毎朝毎晩聞きこまれる。毎度毎度しびれはないと返しているのだが、聞かれるたびにじわじわと怖さが襲ってくるのだ。

あれ? 俺、自分で思ってるより重傷なん!?

確かに背骨だから下手打つと神経にさわるかもしれなかったわけで、今思うと重傷扱いも納得できるのだが、自覚するまでは一度骨折してる経験があっただけにヒビ入っただけで折れてるわけじゃないでしょ的な感じでかなり気楽に考えていたのだ。
今回は神経にさわる可能性はあるけれど、入院してるし緊急対応はしてもらえると信じたい。もちろん神経が無事であることが一番望ましいわけだが。


入院時の保証人を振る可能性も含めどんな迷惑をかけることになるか分からないから、早めに身内と親戚に連絡を取っておく。誰もがこちらの心配をしてくれるばかりか早々に顔を見に来てもらえたことも存外の喜び。
何より一番ありがたかったのは、県内へ再就職していた身内の来訪である。比較的休日の融通が利く仕事らしく、平日に来てもらって公共系の手続きなどなどを委任状抜きで頼めるのは本気で助かることだったのだ。
もちろん心配は家にいる同居人のこともあろう。その節はいろいろとお世話になりました。

前回の入院時よりこなすことが増えているが、生活環境が少々変わったためだ。まあいろいろありましてね。


体が硬いとリハビリ時にわめき、三度三度手をかけなくても出てくることに感謝しつつもご飯がおいしくないと不満を抱き、スマホで艦これやらFGOやらに耽溺……は出来なかったけどちょっとだけやりこんだり、友人に持ち込んでもらった本を読んだりしていると、時間はあっという間に過ぎてたまるかこんちくしょう。
ここまでルーチンワークが続けばいくらなんでも飽きる。
暇つぶしに一眠りを決め込んでも人の往来で目は覚める。ましてや(普段を考えると)超健康的な生活を送っているので睡眠は十分足りているのだ、下手に昼寝を決め込むと夜に眠れなくなる。元々身じろぎで痛みが出るので熟睡できてないからますます困る。

現状、基本なすすべなし。ダラダラするにも限度があります。
友人に持ってきてもらった本は二周できたくらいに時間があったのだ(笑)

まあそうやってえっちらおっちら生活を続けること一週間、ようやく初日に型をとったコルセットが出来上がってきた。
それに合わせて病室を引っ越すことになった。
これまでいたのが重傷や重病の患者がまず入る急性期病棟という病室だったのだ。まあつまり自分の状況はそのレベルで切羽詰っていたということである。

リハビリ担当も替わるとのことで、これまでの方と軽く別れの挨拶。
移動先は回復期病棟。ようやくリハビリの始まりである。


ってここで年越しちまうよ!?

長々と書いている駄文であるが、年末年始の挨拶を挟んで再開の予定である。今しばらくお付き合い願いたい。