2017年10月21日土曜日

【映画感想】ベイビー・ドライバー

ドライビングに天賦の才能を持つ『ベイビー』の仕事は逃がし屋だ。
耳鳴りを消すためにイヤフォンで音楽を聴き、音楽のノリで神がかったドライビングを披露する。今日も今日とて銀行強盗を逃がし、いつものように受け取った分け前の大半は仕掛け屋『ドク』に返済した。
過去のドジの清算まであと1回。終わったら何の変哲も無いドライバーとして生活し、行きつけのダイナーのウェイトレス『デボラ』とよりよい関係になりたいだけだ。

現金輸送車の襲撃は散々だった。仕事こそ果たしたが、強盗役はガードマンを勝手に撃ち殺し、海兵隊上がりの客にはしつこく追い回され、失敗寸前のところまでとっちらかったのだ。

それでも仕事を成功させた幸運のお守りを、ドクが手放すはずが無い。デボラを盾にベイビーに再び仕事をさせようとする。
狙うのは郵便局の定額為替。ベイビーはどう立ち回る?



ミュージカルのようなアクションという狙いは、アクション映画好きの私にはドンズバ豪速球ど真ん中で突き刺さった。爽快の一言に尽きる。

訳が分からん? なら公式に公開されている冒頭6分をどうぞ。


たぶんこれが突き刺さる同類なら見て後悔することはないと思う。ほぼ全編このノリで押し通すのだ。

使われる車も冒頭カーチェイスの鷹目インプに始まって、アメリカならどこにでもありそうな車種が選ばれている。理由が「要求するアクションに耐えうる」車種を「盗難率の高さから選択」しているというのがもう無駄にリアル。愛してる。


BGMはかような理由によりベイビーが実際に聴いている音楽が使われる。というと個人的に思い出すのはゼロ・グラビティなのだが、より濃密にかつ効果的に音楽が使われる。映像とのシンクロ具合は心地よさを覚えるくらいだ。

シナリオも見事の一言。ベイビーの青臭さも何もかもきっちり飲み込んで、因果はきっちりと応報され、収まるべきところにパズルのごとく収まっていく。それはもちろんベイビーにも。

そしてクライムムービーのはずなのに、ラストは大団円で幕が下りる。妙な続編への引きもなく綺麗なものだ。だからこそ見ておくべきだろう。特に近年増えてきている妙に粘っこいヒキの増えた映画に飽きてきている私のようなタイプは。